SES契約と派遣、請負の違いが分からない人 「SES契約ってイマイチ分からないな…。 準委任契約?派遣?請負? いろんな契約があるけど違いを教えてほしい! あと、SES契約のメリット、デメリットも知りたいかも。 |
こういった悩みを解決します。
本記事のテーマ
- SES契約について【準委任契約と一緒です】
- SES契約と派遣・請負の違いを解説【重要】
- SES契約のメリット・デメリット
今回はSES契約と派遣、請負の違いについて説明していきます。
すでに知っている方は、流して読んでください!
ちなみに僕はSES業界で8年営業をしつつ、採用もかかわっています。
僕も新人の頃は「SES」、「準委任」、「派遣」、「請負」の各契約に悩まされました…。
そのため、今回は同じよう悩みを解決するため、わかりやすさを重視した内容でお届けします。
というわけで本文へ進みましょう!
SES契約とは?
SES(システムエンジニアリングサービス)で取引をするときの契約。
IT業界ではプロジェクトの人が足りないとき、他社のエンジニアに応援を依頼します。
そのとき使われる契約の一つが、SES契約です。
SESのポイントは3つ
SESは「System Engineering Service」を略した呼び方で、IT業界でのサービスの一つ。
具体的には、「エンジニアを客先へ常駐させ、技術力や労働力を提供するサービス」のことをいいます。
SESのポイント次の3つです。
- 準委任契約でエンジニアを客先へ常駐させる
- 技術力や労働力を提供するサービス
- エンジニアの働いた時間が売上となる
派遣や請負とは違いますので、注意しましょう。
SES契約=「準委任契約」
SES契約は「準委任契約」のことです。
ぶっちゃけ、分かっていない人がけっこう多いので、気をつけましょう!
以前、SES契約で手続きを進めていたら、「請負契約」って書かれた注文書が送られてきたことがありました。
営業担当がSES契約を分かっていませんでしたね…。
ちゃんと確認しないとトラブルになるので、気をつけてくださいね。
SES事業「3つの契約(準委任・派遣・請負)」
SESでは以下3つの契約で、エンジニアに働いてもらいます。
契約名 | SES (準委任契約) | 派遣 | 請負 |
---|---|---|---|
指揮命令 | なし | あり | なし |
成果の判断 | 働いた時間 | 働いた時間 | システム納品 |
完成の責任 | なし | なし | あり |
報酬の支払 | 毎月 | 毎月 | システム納品後 |
免許 | なし | あり | なし |
各契約の違いについては、本記事で詳しくご案内します!
SESと派遣契約の違いとは?
SESと派遣契約の違いは、次の2点です。
- エンジニアに直接指示を出せるかどうか【指揮命令】
- 免許が必要かどうか【一般派遣】
具体的にみて行きましょう。
その①:派遣は直接指示ができる【指揮命令】
SESと派遣は、「客先で技術力や労働力の提供」の点では一緒。
ただ、以下の違いがあります。
- 派遣:現場の担当が、指示をして「OK」
- SES:現場の担当が、指示するのは「NG」
SES契約は、仕事を任されたという契約になるので、現場からエンジニアへ直接指示をするのはNGです。
そのため、SES契約は「エンジニア自身の判断」か「自社からの指示」で仕事をすることが必要になります。
逆に、派遣契約は「指揮命令権」が派遣先の現場にあるので、直接指示をしてOK。
「指揮命令権」のあり・なしが、SESと派遣の違いです。
ただ、SES契約でも派遣と同じように、現場から指示がでていることが多々あります。
これは、違法なので注意してください!
その②:派遣契約は免許が必要【一般派遣】
結論、SESは特に必要ありません。
ただ、派遣は免許がないと、契約できません。
派遣の免許をとるには、厚生労働大臣の許可が必要です。
これを、「一般労働者派遣事業許可」、略して「一般派遣」と呼びます。
国の免許が必要かどうかが、SESと派遣の違いなんです。
SESと請負契約の違いとは?
SESと請負の違いは、次の2点です。
- 報酬の違い【成果と時間】
- 責任の違い【問題の対応】
詳しくお伝えします!
その①:仕事が終わらないと報酬がもらえない
請負契約は依頼された仕事をおわらせて、成果物(システム)を納品しなければ、報酬はもらえません。
- 請負:成果物(システム)を納品して報酬が発生
- SES:働いた時間(技術力の提供)で報酬が発生
このように、SESと請負の違いは、報酬の発生するタイミングに違いがあります。
その②:納品あとも責任がある
請負契約は納品されたシステムに問題があるとき、改善する責任があります。
これを「瑕疵担保責任」、または「契約不適合責任」と呼びます。
- 請負:納品する責任がある(問題は対応)
- SES:納品する責任はない(問題は未対応)
請負契約は問題がひどいと、「損害賠償」や「減額」になったりもします。
しかし、SESは「働く時間」に対しての契約なので、システムを完成させることに責任はありません。
仕事を完了させる責任の「あり」、「なし」がSESと請負の違いです。
SES契約(準委任)のメリット
次の3つがメリットです。
- エンジニアにいろんな経験をさせられる
- 毎月安定した売上を得られる
- 責任リスクが少ない
①:エンジニアにいろんな経験をさせられる
さまざまなプロジェクトや企業を通して、いろんな技術に触れられます。
一つの仕事を何年もするより、エンジニアのスキルアップにつながるのです。
②:毎月安定した売上を得られる
SESは毎月の「働いた時間」で売上が発生します。
請負だとシステムを納品するまでに、何か月、何年もかかるので、それまで支払いはありません。
会社としては、売上が毎月安定してあったほうが、安心できるのです。
③:責任リスクが少ない
個人的には、一番のメリットだと思います。
納品に責任がないからこそ、エンジニアは安心していろんな経験つめます。
また、会社としても損害倍書などがないため、安心ですよね。
ただ、あたりまえですが仕事はプロとしてするので、手を抜いたりサボるのはNGです。
SES契約(準委任)のデメリット
次の3つがデメリットです。
- 契約解除のリスク
- 偽装請負と間違われる
- 金額が安くなりやすい
①:契約解除のリスク
結論、いつでも契約解除ができます。
■民法 第651条(委任の解除)
委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。
引用元:電子政府の総合窓口(e-Gov)
これは「エンジニア側」、「プロジェクト側」の両方とも可能です。
一応、急な契約解除は「損害賠償」を請求できます。
ただ、ぶっちゃけSESの急な契約解除で「損害賠償」になった例は聞きません。
SES営業を8年やっていますが、実際に支払うまでなったことはないですね!
納品に責任がないかわりに、契約解除のリスクがあります。
②:偽装請負と間違われる
最悪の場合、労働局から是正指導を受けることがあります。
準委任契約では客先でエンジニアに直接指示や、勤怠管理をおこなうことはNGです。
ただ、IT業界ではこの点がゆるいため、現場では直接指示があったりします。
正しい対応をしないと、偽装請負として指摘されてしまうリスクがあります。
③:金額が安くなりやすい
SES契約での依頼は、商流が深くなるため金額が安くなりやすいです。
2次請け、3次請けのプロジェクトならまだいいですが、多いときは5次請以上になったりも…。。
間に入る会社が多くなるので、結果として金額が減ってしまいます。
責任が少ないかわりのデメリットですね。
まとめ:SES業界の契約は理解しましょう
本記事のポイントをまとめました。
- SES契約=「準委任契約」
- 派遣との違いは、「指揮命令あり、なし」・「一般派遣の免許」
- 請負との違いは、「報酬タイミング」・「責任の重さ」
ぶっちゃけ、各契約の違いをわかっていない営業は多いです…。
基本的な契約の違いを覚えておけば、無駄なトラブルを避けて営業に集中できます。
ぜひ、この機会に契約の違いについて覚えてくださいね!
それでは、今回はこのへんで!
最後までありがとうございました!